ハンコ文化を終わりにしたい! オンライン契約を始めるために知っておきたいこと

 

 

ハンコ文化を脱したいけれど、知識がなくてなかなか一歩が踏み出せない……。これから積極的にオンライン契約を取り入れたい人のために、ハンコ代わりに使える電子サインと電子署名の違いや導入した際のメリットなどを紹介します。

 

 

COVID-19 の影響により、在宅勤務を中心としたテレワークが求められる中、ハンコを押すために出社する会社員の様子が取り沙汰されたニュースは記憶に新しいのではないでしょうか。

 

これまで多くのビジネス書類は、記載された内容への同意または、承認の意思を示すためにハンコが押されていました。法的拘束力を持つことから、ハンコは重要な役割を果たしてきたといえるでしょう。

 

しかし、ビジネス文書の電子化・ペーパーレス化が進む昨今、そうしたハンコの役割は薄れつつあり、押印不要なオンライン契約を導入するケースが増えています。契約にまつわる一切の管理をオンラインで完結できれば、書面を紙に出力したり、郵送したりする手間も掛かりません。何より業務をスピーディーに進めることができるため、生産性向上にもつながります。

 

そこで、こちらの記事では、ハンコ文化を脱してオンライン契約を推進するために知っておきたいポイントについてお伝えします。

 

 

 

1.  ハンコ文化が根強い理由とは

 

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そもそも、文書のデジタル化が進んでいる一方で、ハンコを押す習慣が根強く残っているのはなぜでしょうか。

 

例えば、明治時代はハンコを作成するためには、職人に依頼して一つずつ手彫りしてもらう必要がありました。当時は、ハンコが「間違いなくその人が確認した印」として十分な効力があったことから、その価値はとても高かったのです。そして、そのままビジネスシーンでもハンコが使われるようになり、日本の商習慣として定着したことから、慣習的に利用している人が多いのです。

 

しかし、ハンコを安価かつどこでも購入できるようになった現代においては、必ずしも「本人が押印した」という真実性は薄くなりつつあります。押印だけで信頼を担保することは難しい、というのが実態です。

 

さらに、近年のペーパーレスの流れの加速により、「わざわざ書面を紙に出力して、ハンコを押すことに意味はあるのか?」と疑問を持つ人が増えてきました。COVID-19の影響によるリモートワークの推奨が後押しとなり、ハンコに対する社会の意識が見直され始めたといえるでしょう。

 

 

 

 

2.  ハンコの代わりになる電子サインと電子署名の違い

 

ハンコは形骸化しているだけでなく、押印があったとしても誰のハンコなのかが不明確ならば、文書に記載されている承認や契約といった内容を誰が決裁したのかわからず、本当に合意が取れた正確な文書かどうかが不明瞭です。

 

そこで、ハンコの代わりになる“証拠を残すためのデジタルツール”が、「電子サイン」と「電子署名」です。これらによって、デジタル文書に当事者間の合意を記すことができます。

 

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「電子サイン」は、いわゆる大量生産されている印鑑(三文判)のようなもの。サインをする側は、名前入りのスタンプや画像化した手書きのサインを作り、デジタル文書の該当箇所に付与するかたちで使えます。本人確認は、電子サインが付与された電子文書の送信者のメールアドレスやテキストメッセージ、パスワードなどの要素を使用して行われます。

 

請求書や見積書など一般的な営業関連契約や、人事関連の雇用契約の締結は電子サインで問題ありません。ただし、登記が必要になる不動産関連契約のように、書面による締結が法令上要求されている契約書類には使用できません。

 

かたや「電子署名」は、実印のようなもの。第三者機関である認証局が発行する「電子証明書」が必要です。電子証明書は免許証やパスポートのように本人確認の役割を果たすため、本人が認めたという真実性がより高いものになります。個人の実印や会社代表者の登録印(いわゆる社長の実印)を押してきた重要な契約書への使用には、電子署名が適しているといえるでしょう。

 

相手方に電子証明書の有効性を確認してもらうためには、あらかじめ相手方のPCに電子証明書の発行元に関する情報のインストールが必要な場合がありますが、「Adobe Acrobat DC」は信頼できる認証局をリスト化しているため、基本的にその必要はありません。

 

 

 

 

 

3.  ハンコをやめることで得られるメリット

 

 

電子サインを導入した際の最も大きなメリットは、文書の電子化による業務効率化です。例えば、商品売買にまつわる書類は、見積書の提出にはじまり、契約書の発行・締結、請求書の発行など、ハンコを使っている作業が多々あります。

 

その書類をすべて電子化することができれば、紙を処理する作業コストの削減にもつながります。また、ハンコをやめると同時にデジタル管理にすることで、取引に関しての検索や確認がとてもスムーズになります。他にも、次のようなメリットが考えられます。

 

 

・リモートワーク推進の後押し

 

・収入印紙代の削減

 

・書類の保管スペースや手間の削減

 

・ペーパーレス化の促進による費用削減

 

・契約までの時間が短縮される

 

・コンプライアンスの向上

 

 

以上のように、ハンコをやめることで得られるメリットが大きいのは間違いないでしょう。

 

 

 

4.  ハンコを脱するための下準備

 

 

 

ハンコをやめるには、まずそもそもハンコが必要なのかという業務処理棚卸から始め、さらに代わりとなる電子サインや電子署名といったツールの選定が必要です。それと同時に社内の調整が欠かせません。組織や部署の意識を合わせて、足並みを揃えて導入を進めていきましょう。

 

また、そのときに、社内外でどのような文書が発生し、それにともないハンコはどのような書類に用いられていたのかを確認することがポイントです。必要であれば、弁護士や税理士など外部の専門家に相談しましょう。

 

一般的に、ハンコが使われる書類は「社外との契約書」「社内の稟議書や決裁書類」の大きく分けて2種類。社外との契約書については、電子サインや電子署名に置き換えることを取引先などに早めに説明し、了承を得るようにしましょう。また、社内の稟議書や決裁書類については、脱ハンコの取り組みと同時にワークフローや文書管理の見直しを行うことで、さらなる業務改善を期待できます。

 

 

 

5.  オンライン契約に便利なアプリケーションを導入しよう

 

 

オンライン契約の実現にあたっては、システム開発が不要で簡単に導入できる個別アプリケーションの活用が便利です。「Adobe Acrobat DC」「Adobe Sign」などは個別アプリケーションにあたります。

電子サインが必要な文書も簡単に準備して取引先に送信できますし、Webフォームを活用した電子サインも可能なので、契約プロセスをスピードアップできます。

 

 

ただし、これまで書面で契約を交わしてしていたり、電子契約に不慣れな取引先と契約したりする場合は、オンライン契約の締結にあたっては相手の理解も必要です。

そうした観点からも、相手に費用を負担させることがない個別アプリケーションの採用が望ましいでしょう。その点、「Adobe Sign」は先方の登録が不要なので取り入れやすいでしょう。

 

 

 

 

6.  オンライン契約の導入に当たっての注意点

 

 

書面ではなくオンラインで契約を完結させるのに、不安を感じる人もいるでしょう。

 

もちろんオンライン契約には不安が残る部分もあります。例えば、取引先が本当に実態のある会社かどうか、確認を取りにくいことが挙げられます。書類を郵送でやり取りしていれば住所や担当者の身元確認ができるものの、メールではそれができず、不安に思う人も多いかもしれません。

 

しかし、よく考えれば「連絡先の企業や担当者が実在するのか確認を取りにくい」のはメールでも郵送でも同じ。郵送先すらも架空の存在であれば、書類であろうと電子であろうと、契約の前提となる信頼が揺るぎかねません。

そのため、新規でオンライン契約を取り交わす場合は、相手先の代表電話番号にかけて担当者につないでもらうなど、取引先が実在するか、必ず確認を取るようにしましょう。

 

身元確認をするにあたっては、相手メールアドレスのドメインを見るのも判断材料のひとつになります。オンライン契約にあたっては文書を電子メールで送信します。その際に、取引先相手の送信元が使い捨てできるフリーメールアドレスではなく、企業ドメインのメールアドレスかどうか確認するようにしましょう。

もちろん、こうした身元確認はこれまで取引実績がある場合は不要です。

 

また、これまで長期の取引があったとしても、契約不履行などのトラブルで裁判に発展する可能性は否定できません。裁判では証拠となる文書の提出を求められることも想定されます。この場合についても、デジタル文書で適切なプロセスでオンライン契約を結んでおけば、文書書類と同様に証拠として問題ありません。

 

なお、「いつ」作成したものであるか、作成時刻を証明する「タイムスタンプ」といった機能を搭載しているアプリケーションを活用することで、デジタル文書の改ざんを防ぐことができます。また、トラブルが生じる以前に文書を偽造しておくことは考えにくいため、タイムスタンプによる作成時刻の証明は、内容の正しさについての状況証拠にもなります。このタイムスタンプを取引先にも活用してもらうことで、理想的なかたちでオンライン契約が運用できます。

 

 

 

7.  ハンコをやめてビジネスをアップデートする

 

 

これまで慣習として残ってきたハンコ文化。本人が押印に関わっているかどうか、改ざんしていないかを証明するという観点でも、ハンコは電子サインや電子署名で代替できます。

 

リモートワークの加速が予想されるこれからの時代にはデジタルトランスフォーメーションが不可欠。オンライン契約をはじめ適切な場面で、電子サインや電子署名を使い分けることにより、契約をはじめとするビジネスプロセスがスピーディーに変わります。ハンコをやめることで間接業務の負荷を削減し、浮いた時間を本来業務に充てることができれば、ビジネスのアップデートを叶えることができるはずです。

 

 

 

【関連URL】

 

 

Adobe Sign ユーザーガイド

https://helpx.adobe.com/jp/sign/user-guide.html

 

Adobe Sign 入門ガイド

https://helpx.adobe.com/jp/sign/using/get-started-guide.html#

 

Adobe Sign体験ツアーヘようこそ

https://www.adobesigndemo.com/jp/demo/send

 

<Adobe Sign活用方法>署名を依頼する | Adobe Document Cloud

https://www.youtube.com/watch?v=JZs-c3In7NI

 

 

 

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取材協力:宮内宏さん

弁護士。電子契約,電子文書保存,電子文書の法的有効性確保,電子帳簿保存法対応,IT法務等に豊富な実績を持つ。著書に『改訂版 電子契約の教科書〜基礎から導入事例まで〜』(日本法令)など。

 

(執筆:末吉陽子 編集:ノオト)

 

 

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